PL保険ご存じでしょうか？
正確には、生産物損害賠償保険の事ですね。
何かしらの商品を製造、販売を行って、
万が一の時に購入者が商品の欠陥で事故を被ってしまった場合
それによる損害を賠償するという保険です。
以前、並行輸入品のPL保険に関して記事を書いたこともあります。
さて本題です。
国内のメーカーの商品を販売しているのならば、
PL保険の加入はしなくてもいいのか。
答えはNOです。
国内メーカーの商品のみを販売しているだけでも、
PL保険の加入は必要です。
通常、商品はメーカーからでも代理店、問屋さんからでも、
仕入れて販売者の手元に届いた時点で物品の所有権が移ります。
それを再販して顧客に売った時点で、販売者には販売責任が生じます。
もし事故があった場合、
カスタマーが最初にどこに申し立てを行うのかは自由ですが、
普通に考えたらとにもかくにもまず買った所に通達するのが筋です。
その時に販売者がPL保険に加入していた場合、
保険会社がメーカーに対して責任の所在はどこにあるのかを追求します。
これを求償といいます。
もし販売者がPL保険に入っていなくて、
「ごめんなさーい、払えません〜 泣」と言ったとしたら、
訴えた方はお金が取れないのでお金の取れるメーカーを訴える事になります。
ただここで販売者が”ごめんなさい”しても責任を免れる訳ではありません。
販売者としての責任がある為、
資産の差し押さえや出来る限りの賠償など
しなくてはならない可能性があります。
また国内メーカーさんと取引開始する前に
契約書を交わす所もあるかと思います。
そういった契約書には、事故が起こった場合、
メーカーと販売者で協力して回収（リコール）作業などを行う
などという事項が書いてあると思います。
え？そんなの知らない、と言う方は契約書を
今一度確認された方が良いかと思います。
国内商品では 事故が起こる可能性は高くはないですが、
クルマの事故と一緒で予測出来ないですし、
万が一ということがあるかもしれません。
特に我々のような専門店ではなく、輸入品も含めて多種多様、
雑多に商品を販売していくような業者は必須と言えるでしょう。
PL保険の保険料は、（年商や商材に応じてですが）安くはありません。
年商が1億円ほどの場合で、
リコールあり15万とか、リコール無しで10万弱といった感じです。
ただもし事故が起こったらどうしようと不安な気持ちを抱えながら、
物販を行っていると、どうしても仕入れも躊躇してしまいがちです。
であれば、ちゃんと払って精神衛生上も良くして、
ガンガン仕入れして売り上げを伸ばして利益を上げる方が健全です。
不安な事はなるべく早い段階で払拭して、
利益を伸ばすことを考えてやっていきましょう。
コメント